株式会社R.E.A.D.

  • PHOTO by Nao Takahashi
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都心のミニマルハウス

Minimalist Apartment in Tokyo

将来可変性のある寝室と全面に多機能な壁面収納を備えたミニマルなインテリア

都心に立つ大型マンションの1室のリノベーションプロジェクトである。

対象住戸は、都心で多く見られる南向きのうなぎの寝床型で、南東に面してのみ窓がある住戸だった。広くはない住戸に、ご夫妻とお子さん1人の3人家族が暮らす空間を設計する上で、LDKと主寝室・子供部屋をどう確保し、寝室にどう自然光を取り込むか。設計のテーマは、都心部マンションにおける普遍的なものであるように思えた。

LDKを環境の良い南東窓側にゆったりと確保して壁で仕切ると、寝室に自然光が入らなくなる。また、主寝室・子供部屋の両方を確保すると、73㎡の床面積では2つの寝室もLDKも狭くなってしまうし、お子さんが小さいうちは子供部屋はいらない。そこで、寝室とLDKとの仕切りを格子と可動間仕切りとして寝室に自然光を導くこととし、さらに、将来可動間仕切収納で子供部屋と分けることを前提として寝室を広く1室とすることで、平面上の窮屈さはなくなり、うなぎの寝床型の住戸の中でも広々と明るいプランニングとなった。

インテリアは、スーツケースやロードバイク、キッチン家電、PC作業を行うデスクや電子ピアノも収納内に隠し、ミニマルに暮らしたいという要望を具現化し、大きなパントリー・クロークと、全面に多機能な壁面収納を配置した。白い壁面の収納扉を開けると様々な生活機能が収納されていて、収納扉を閉めるとすべて白い壁面となり室内がすっきりとし、来客にも対応できる。

白くミニマルなインテリアの中でも、空間が冷たい印象にならないよう素材の持つ暖かさ・柔らかさや陰影を大事にした。廊下の壁は格子とピッチを揃えた木リブ壁とし、キッチンカウンターはベージュグレーのクウォーツストーン、窓にはドレープカーテンをかけ、アクセントとした。また、腰窓があり南東に出っ張った躯体形状を活かし、その一角に造作ソファを配置してリビングのコーナーとし、ラグを敷いて寛げる場所をつくった。

このミニマルでありながらも可変性のある空間形式が、家族の快適な生活を支えてくれることを望んでいる。